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牧師 渡邊義彦 

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2021年11月

12月巻頭言

         あなたの御言葉は、わたしの道の光
         わたしの歩みを照らす灯
        (新共同訳聖書・詩編第119編105節)

  「24時間戦えますか。」 日本経済がバブル景気にあったころ健康ドリンクのコマ-シャルで流れていたフレーズです。覚えておられる方も多いかもしれません。長時間労働が当たり前、美徳とされ、エネルギッシュに働くことが求められていた時代を象徴する言葉だったと思います。同じ健康ドリンクが液体から顆粒となって、人生100年を生きるための健康サプリメントとなったことを新聞に読みました。当時24時間の短距離走であったのが、何年にも亘る長距離走となったのだろうかと複雑な思いを抱きました。わたしたちは、人生において戦い続けることはできませんし、休むことも、ときには前線から退いて避難することも必要です。走り続けることもできません、歩くこと、ときには立ち止まりうずくまるようなこともあります。わたしたちの毎日はそういった24時間ですし、365日、一年、一年です。
 一方で、母教会の牧師が「フーポン信徒になってはいけない」と教えてくれたことを思い起こします。最初に聞いたときには、何のことだろうと思いましたが、さあ日曜日だと言って、開かずにあった聖書の埃を礼拝の日の朝に吹き払って教会に来るのではいけない、平日の日々も聖書に親しむようになさい、ということだったのです。入院された牧師を見舞ったとき、病床で聖書を読んでいた姿を思い起こします。日曜日、教会で語られる御言葉に養われることと共に、平日の日々にも御言葉に聞き続けることの大切さを教えてもらいました。365日、一日も欠くことなくというのはむずかしいことかもしれません。それでも少しでもよく御言葉に親しみたい、フーポンではいけないよ、牧師の姿と共に声を思い起こします。
 冒頭に引きました詩編は、わたしたちが戦えるにしても戦えなくとも、わたしたちが御言葉を読むこと、聞くことができてもできなくても、主は御言葉を語り続けていてくださって、御言葉をもって導き続けていてくださることに信頼した信仰者の言葉です。主なる神は、わたしたちのこれまでがそうであったように、今日も、そして明日も、永遠に至るまで御言葉をもって導いてくださいます。主の御言葉に信頼することにこそ、何によっても失われない平安があります。

日本基督教団 柿ノ木坂教会